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【採用担当Presents】キャリア社員が語る:大塚製薬の創薬研究の醍醐味

大塚製薬への入社に関心を持っていただいている就職活動中の皆さまに、社員からのメッセージをお伝えします。今回は、腎循環研究所で働く、キャリア入社6年目の長尾(ナガオ)さんです。


【長尾さんのプロフィール】
博士号取得後、他社で約10年勤めた後に、2019年に大塚製薬に入社。徳島県にある腎循環研究所に所属し、現在は腎疾患を創薬ターゲットとしたプロジェクトのリーダーを務める。学生時代には、「薬が効くメカニズム」に興味をもったことから、医薬品をターゲットとする特定の部位に効率よく運ぶための「ドラッグデリバリーシステム」の研究に携わる。学生時代の趣味はバッグパック旅行、サッカー、海外旅行は今も継続中。


― 長尾さんはキャリア入社ということですが、大塚製薬に入社しようと思った理由を教えてください。

腎臓の研究は非常に難しいですが、挑戦しがいがあり、大きなやりがいがあります。自身がより腎臓の研究をつき進めたいと思っていたタイミングで、大塚製薬では水利尿薬/常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)治療薬「トルバプタン(一般名)*」を皮切りに、腎臓領域に注力しているところでしたので、この会社で腎疾患の創薬研究を追求する決断をしました。

*トルバプタン: 大塚製薬の腎臓領域における代表的な医薬品。従来の利尿薬による浮腫の治療では、身体に必要な電解質までが排泄されてしまっていたが、トルバプタンは腎臓が尿を生成し排出する機能に作用し、「水だけを出す」という世界初のメカニズムを持つ。また、常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)の進行を抑制する初めての治療薬としても承認された

― 長尾さんの仕事の内容を教えてください。

入社当時は徳島の腎循環研究所が立ち上がったばかりだったため、基盤技術の構築と整備に携わり、創薬標的の妥当性を評価する検証試験などを担当しました。現在は同研究所で、腎疾患を創薬ターゲットとしたプロジェクトのリーダーを務めています。

医薬品の開発は標的を決めるところからスタートし、動物でデータを取得した後、ヒトを対象とした臨床試験で安全性と有効性を示すことで承認され、ようやく製品化されます。私の関わる業務では、標的に向けたコンセプトの立案と、研究所が創製した化合物の薬理効果の評価を主に担当しており、目指すプロファイルの化合物の創製に向けて、研究員の皆さんとともにプロジェクトを前進させています。

― 腎循環研究所に所属されている方は、腎臓の研究をしてきた人が多いのでしょうか。

腎臓の研究を行っている大学は限られていることもあり、全く異なる分野で研究してきていた人の方が多いですね。研究所では多様なプロジェクトを抱えていますが、研究所の中で他のプロジェクトを担当している人と議論する機会はとても多いので、悩むことがあってもいろいろな人に相談しながら仕事を進めることができています。また、アカデミアとの共同研究や社外との連携を通じて、専門性をさらに高めることができています。

皆が「創薬」という共通の高い目標を持っているので、競い合いながらもお互いを尊重し、助け合う文化があると感じています。多様な強みを持つチームメンバーに意見を気軽に聞けて、ディスカッションできるのは、この職場の最大の魅力だと思います。私の部署は大阪創薬研究センター(大塚製薬)との連携も多いですね。大阪にいるチームとのコミュニケーションはオンラインがメインになりますが、なんでも率直に話し合える関係性が築けるよう心掛けています。

― 大塚製薬に入ってから、新たな学びや発見などはあったのでしょうか。

大塚製薬の創薬のアプローチはユニークだと思います。一般的には、あらかじめ治療標的を決め、その妥当性を実験で検証するターゲット創薬というアプローチが行われていますが、大塚製薬においては、仮説は立てるものの、まず化合物がどのような効果を示すかを観察し、考察するという実験データ重視のアプローチをとることがあります。このアプローチは、私にとって斬新でした。大塚製薬はフェノタイプ創薬(表現型創薬)が得意だと謳っていますが、まさにそのやり方です。

― 大塚製薬のアプローチは、ターゲット創薬では出てこないものが、出てくるかもしれないということでしょうか?

その通りです。大塚製薬ではターゲット創薬とフェノタイプ創薬の両方を取り入れており、これらのアプローチを組み合わせることで、よりユニークで他社がまねできないような薬を創ることができると思います。大塚製薬が創製した化合物で上市された医薬品は、その独自の研究開発アプローチの産物と言えるのではないでしょうか。社内でこれまで創薬に関わった研究者の方々の講演会なども開かれているのですが、そこでも大塚製薬の創薬は、この特徴的なアプローチがベースとなっていることも多いと感じました。

― 腎臓領域において、まだまだ未解決の医療ニーズは多いのでしょうか。

腎疾患に関しては、上市されている医薬品は少なく、解決しなければならない課題はとても多いです。なぜかというと、腎臓という組織は、細胞の種類が多く、構造も非常に複雑で、難易度が高いからです。研究はとてもやりがいがあります。大塚製薬にとって腎疾患は重点領域のひとつですが、そのことからも患者さんのためであれば、難問にも挑むという大塚製薬の姿勢を感じていただけるかと思います。

― 大塚製薬は長尾さんにとって、どのような会社ですか?

現場の意見が尊重される職場です。私たち研究員は、「こんな薬をつくりたい」、「こんなターゲットはどうだろう」と提案し、ゼロからイチを作り出す仕事なので、ハードルは高いですし、取り掛かるのに費用もかかります。ただ、そういう気概を受け入れ、実践させてくれる土壌があります。

しっかりとした調査をもとに、明確なビジョンの提案をすることができれば、研究員がやりたいことをやらせてくれますし、失敗を受け入れてくれる寛容さもあります。まずは与えられたタスクに対してしっかりと結果を出さなければなりませんが、意欲がある研究員にとっては非常に恵まれた環境だと思います。

― 今後のゴール・目標を教えてください。

私はプロジェクトリーダーを務めているので、そのプロジェクトを着実に進め、現在は初期段階にある化合物を、臨床候補化合物にすることまで到達するのが第一目標です。

最終ゴールはもちろん、このプロジェクトで見いだされた薬を一刻も早く、患者さんに届けることです。簡単な仕事ではないですが、患者さんに貢献するような薬を、自分が携わったプロジェクトから送り届けたいです。自分が関わった研究から薬が上市されることは、薬学部を目指した高校生の時からの夢であり、現在の目標です。

― 大塚製薬に入社されてから徳島に住むことになったとのことですが、徳島での生活はいかがですか。

徳島の住み心地は非常に良いです。私は東京都出身なので、都会育ちの自分には想像もつかないようなきれいな川があります。子どもたちをこのような自然豊かな場所で育てられるのは徳島ならではの魅力だと感じています。もう少し子どもたちが大きくなったら、釣り、ラフティング、パックラフトなどのアクテビティにも一緒に挑戦してみたいです。

― 最後に、大塚製薬を志す方にメッセージをお願いします。

大塚製薬は年齢も関係なく、挑戦を応援する風土があります。チャレンジ精神旺盛な方にとっては非常に恵まれた環境だと思いますので、興味を持たれた方はぜひご応募をお待ちしています!

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