地域の仕組みづくりをサポートし、精神疾患の患者さんの「笑顔」を増やしたい
今回は薬が適切に使われるように医療関係者に情報提供するMR(医薬情報担当者)にインタビューしました。精神科領域担当として医療機関を訪問するだけでなく、自治体と連携した新しい取り組みについて、團野(ダンノ)さんの想いを聞きました。
【團野さんのプロフィール】
大学では薬学を専攻し、2015年に入社。精神科領域の医薬品情報を提供するMRとして首都圏エリアの医療機関を担当する中、地域が抱える課題に着目し、その解決に向けたチャレンジを続けている。
精神科担当MRとしてできること
―現在の業務について教えてください。
團野:私は入社以来、精神科に特化したMR(医薬情報担当者)として首都圏エリアの医療機関を担当しています。MRの仕事は、医師や薬剤師など医療関係者に対し、医薬品の有効性や安全性の情報を提供することです。加えて、副作用情報の収集なども大切な仕事で、医薬品の適正使用推進を通じて患者さんの治療に貢献することから、“医療の一翼”を担う重要な仕事ともいわれています。担当エリア内にある精神科専門のクリニックや精神科がある病院に日々訪問するほか、メール・電話での連絡、さらに最近ではWEB面談も活用して、忙しい医療関係者の方々のスケジュールに合わせた情報提供・収集を行っています。
―とても重要で、かつ地道な仕事のようですね。MRとして嬉しかったことはありますか?
團野:MRは直接患者さんと関わることはありませんが、医療関係者の方から「患者さんの状態が安定して仕事もできるようになった」「患者さんのご家族から感謝の言葉をいただいた」などのお話を伺ったときには、とても嬉しく、微力ながら達成感を得ました。
―精神科担当MRとして嬉しい瞬間ですね。ところで團野さんは、「地域の課題解決」にも取り組んでいるとのことですが、詳しく教えてくれますか?
團野:大塚製薬は47都道府県をはじめとする全国の自治体と、健康に関する包括的な連携協定を締結しています。地域ごとに健康課題は異なるのですが、当社は疾病の治癒から健康維持・増進まで、幅広い領域で健康に関する事業を展開していますので、それぞれの地域が抱える課題解決に向けた取り組みを自治体等の関係団体と連携して行っています。私たちは「精神疾患の患者さんがそれぞれの地域で、笑顔で暮らせるようにする」ことを目指して取り組んでいるのですが、地域との連携を進める中で、自治体や福祉事業者の方も同じことを目指しているのが分かりました。
精神疾患の患者さんが「笑顔」で暮らすためには?
―精神疾患における現在の課題について詳しく教えてください。
團野:現在、精神疾患の患者さんには「再入院」という課題があります。精神科病床からの退院者は約4割が一年以内に再入院しています(※1)。また、精神疾患の患者さん向けの地域サービス利用率は33%にとどまっており、地域支援が十分に受け入れられていない(※2)のが現状です。まずはこの課題を解決したいと考えています。
※1 平成29年精神保健福祉資料(全国)
※2 山口創生 他:重症精神障害者における退院後の地域サービスの利用状況とコスト:ネステッドクロスセクショナル調査.精リハ誌, 2015
―「地域サービス」とはどのようなものですか?
團野:各地域には自治体が運営する相談所があります。また、精神科デイケアという、精神科・心療内科に通院中の方を対象とした、復職、就労あるいは進学・復学を目指すための地域サービスなどがあります。しかし、患者さんやその関係者の方がこのようなサービスを利用できることを知らずに、1年以内に再入院してしまう患者さんも多く、精神疾患患者さん向けの地域サービスがあっても十分に利用されていないようです。これら地域サービスを利用していれば再入院をせずに過ごすことができるかもしれません。薬は治療に欠かせませんが、それだけがすべてではありません。地域サービスを通して人と触れ合う機会が増えれば、もっとその人がその人らしく、楽しく地域で暮らせるようになるのではないかと思います。これらは再発予防としても非常に大切な点といわれていますので、そこをなんとか繋げられるように、まずは「知ってもらう」ことから始められればと考えています。
―「知ってもらう」ために、どのような取り組みを行っていますか?
團野:当社は、医薬品や疾病に関する情報提供だけではなく、幅広い領域において事業を行っていることから、様々な関係団体の間を取りもち“繋ぐ”ことができます。地域サービスが十分に活用されていないという課題への対応として重要なのは、自治体と連携し、「医療・福祉・地域」を繋ぎ、環境を整えることだと考えています。厚生労働省も「医療・福祉・地域」が連携した環境整備の重要性を示していますので、まずは地道に各担当者に現状について話を聞くところから始めました。
―これまた地道な活動なのですね。
團野:そうですね。手探りの大変さはありました。誰と話せば地域の課題を知ることができるのかも分かりませんでしたが、様々な方と対話しなければ、現状の課題を明らかにすることは難しいので、時間をかけて丁寧に取り組むようにしています。また、社内でも自治体連携を推進している部署の担当者に相談したりするなど、様々な方と情報交換をするようにしています。
―話を聞くことで、連携はスムーズに行えたのでしょうか?
團野:自治体のある部署の方にお伺いしたところ、「大塚製薬のサポートは必要ない」と言われたこともあったのですが、福祉の部署の方からは「このエリアでそういった連携ができれば」というニーズを耳にしました。様々な方に話をお伺いすることで、私が担当しているエリアでは、地域と福祉における連携に課題があることが分かったので、その課題に対して具体的な提案をしたところ、スムーズに連携・協業が進んでいきました。仮説を持って取り組み、一度ダメと言われても諦めずに、対話を続けることで、連携が進むようになり、地域の方からも喜ばれたという経験をしました。私の中でも大きな達成感を得た事例です。これらの取り組みが患者さんの笑顔につながるかもしれないと思うと、とてもやりがいを感じています。
入社の理由は「物怖じせずにチャレンジする会社だから」
―大変難しく、重要なチャレンジについてお伺いしましたが、そもそも大塚製薬を志望した理由を教えてください。
團野:薬科系の大学でしたので、もともと製薬会社や薬学には興味を持っていました。父親が製薬会社でMRをしていたというのもあります。大学の時、実際に現場で研修を行う中、自分には製薬会社が合っていると思っていたところ、大学内で実施された会社説明会で「大塚製薬はビッグベンチャーカンパニー」であるという説明を聞いて、心に刺さりました。物怖じせずにチャレンジを続けていくという点に惹かれ、大塚製薬への入社を志望しました。
―入社後は、チャレンジの連続でしたか?
團野:もともとチャレンジ精神旺盛なのですが、入社してからも、疑問があればすぐ行動することを心掛け、挑戦するようにしています。大塚製薬にはチャレンジを後押ししてくれる風土がありますので、失敗を恐れずに、次々と新しい環境に飛びこむことができると思っています。新入社員のころ、まだ他の人がやっていない内容をテーマにした講演会を企画した際も、上司の理解と後押しがありました。今回の自治体連携についても、やはり上司や他部署の方がサポートしてくれて、実現することができたと思っています。
―次は、どのようなチャレンジを考えていますか?
團野:これまでお話ししたように、まずは担当しているエリアの精神疾患の患者さんが笑顔で暮らせるような環境作りに貢献したいと考えています。そして将来は、長期的視点をもち、エリア全体を俯瞰することで、より多くの地域の方々が笑顔で暮らせるように取り組みたいと思っています。
―最後に、「大塚製薬で働いてみたい」という方に向けてのメッセージをお願いします!
團野:新しいことに挑戦したい方、誰かを「笑顔にしたい」という夢をお持ちの方にとって大塚製薬はぴったりだと思います。今後、みなさまと共に働ける日を心待ちにしています!
編集部のつぶやき
社員インタビュー企画をお読みいただき、ありがとうございました!大塚製薬のMRの幅広い取り組み、難しいチャレンジを後押しする社風について熱く語ってもらいましたが、いかがでしたでしょうか。
今後も社員インタビューを掲載していきます。次回もお楽しみに!!