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【まめ知識】ポカリスエット パッケージの白いラインはなに?ロゴデザインの意味を紐解く

1980年に発売されたポカリスエット。日本のみならず世界20以上の国と地域で親しまれるドリンクとなりましたが、このロゴデザインは発売から40年以上経った今でも、そのほとんどが変わっていません。皆さん、このロゴを見て、「POCARI SWEATの文字の下にある白いラインはなんだろう」と思ったことはありませんか?

発売当初のポカリスエット 粉末

この白いラインは「サーフライン」と呼ばれています。
サーフラインと聞いて、「海をイメージしたパッケージデザインなんだ!」、そう思った方もいるかもしれません。

実はこれ、ポカリスエットの本質と深くかかわっているのです。

サーフラインの答えにいく前にこのポカリスエットの本質について少し語りたいと思います。

大人の身体は約60%が水分です。この水分には真水だけでなく、ナトリウムなどのさまざまな電解質(イオン)が含まれています。そのため汗をかくと水分と一緒にイオンも失われてしまいます。

ご存じの方もいるかもしれませんが、ポカリスエットはこの“汗”に着目し誕生したのです。「汗の飲料」をコンセプトに、身体から水分が失われるさまざまなシーンを研究。より多くの人に飲んでもらえるようにと、スポーツに限らず日常のあらゆる場面での水分補給に適した健康飲料として開発されました。

【ここがポイント!】
ポカリスエットにスポーツドリンクのイメージを持たれている方もいらっしゃるかと思いますが、ポカリスエットは、発汗などにより失われた水分と電解質(イオン)をスムーズに補給することができ、身体をすばやく潤す健康飲料なのです。

では、なぜポカリスエットが水分補給に適しており、身体をすばやく潤すことができるのでしょうか。それはポカリスエットが「飲む点滴」というアイデアもヒントに開発が進められ、発汗初期の汗と近い成分でできているからです。

こちらの図からも汗とポカリスエットの成分が近いことがわかります。

体内に素早く吸収されるだけでなく、水に比べて身体の外に排出されにくいという特性を持つポカリスエットですが、実はこの甘さにも理由があります。適切な濃度の糖質を含むことで、腸管での水分の吸収スピードを速めてくれるのです。

“すばやい吸収”“吸収スピード”とだんだんサーフラインの意味に近づいてきました!

そろそろ答えにまいりましょう。

このポカリスエットのサーフライン、それは「水と電解質(イオン)の吸収スピード」を象徴化したデザインなのです。

脱水時に真水とポカリスエットを摂取し、その吸収スピードを比較した試験のグラフを見たデザイナーが、製品の本質でもある、この特徴をロゴデザインにしたと言われています。

ちなみに、発売当時は飲料業界で「青」は売れない色とされており、パッケージに使うことはタブーとされていました。しかし、生命のルーツである海の青と波をあらわす白を選定し、クールでシンプルなイメージを体現。「デザインは本質を表現するもの」というデザイナーの信念と「製品コンセプトを伝える」という大塚製薬の強い意志によって採用されたのです。

POCARI SWEATの文字、サーフライン、そしてもう一つ左上に小さくある、ショルダーコピー。最後はこちらに触れたいと思います。

実はこのショルダーコピー、ポカリスエットの製品機能を時代に合った切り口で提案し続けるため、不定期で変更しています。

現在表示されているショルダーコピー「ION SUPPLY DRINK(イオンサプライドリンク)」は2002年から採用しており、ポカリスエットが水分とイオンの補給に適した飲料であることを伝える役割を果たしています。

「昔のショルダーコピーはどんなものだったの?!」と気になった方がいるかもしれませんが、それはまた別の機会に。

今回、製品コンセプトと想いが詰まったポカリスエットのロゴデザインの意味をご紹介しました。

近年、ゼリーやアイススラリー、リターナブル瓶などさまざまなアイテムも展開しているポカリスエット。これからも毎日の水分・電解質補給をサポートし、常に皆さんのそばに寄り添うブランドでありたいと思っています。


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