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「先入観を持たずに、ひとりひとりの声に真摯に向き合う」ことを大切にしています

今回は「女性の健康」分野の製品開発に携わる研究員にインタビューしました。様々な研究を行う上で、直接現場におもむき「ひとりひとりの声を聴く」ことを心がけているという宮川(ミヤカワ)さんの想いを聞きました。

【宮川さんのプロフィール】
大学では食物栄養学を、大学院ではライフサイエンスを専攻。在学中に管理栄養士の資格を取得。2016年に入社後、人々の健康維持・増進をサポートする「ニュートラシューティカルズ関連事業製品」の研究開発を行う佐賀栄養製品研究所に配属され、現在に至るまで「女性の健康」に関する研究を続けている。


「食事」と「サプリメント」


―管理栄養士として、「食事」と「サプリメント」をどのように考えていますか?

宮川:私は大学で食物栄養学を専攻し、管理栄養士の資格を取得しました。もちろん「食事はバランスよく摂る」ことが重要で、基本は三食きちんと食べることであり、サプリメントはあくまでも補うものだと考えています。そのため、これまで学んできたことを活かせる場として、就職活動の際は食品メーカーを中心に活動しており、製薬会社は考えていませんでした。ですが、ちょうどその頃、2014年に大塚製薬が「女性の健康」に貢献する製品を発売したというニュースを目にしました。どのような成分なのか気になって調べたところ、大豆由来のエクオール*という成分で、身体の中で作れる人と作れない人がいて、特に日本人女性の2人に1人は作れないと知り、驚きました。エクオールが作れない人も作れる人と同じようにその恩恵が受けられる新しい考え方のサプリメントに初めて出会い、とても衝撃的でした。食事がベースであるものの、十分な食事を摂っていても得られないものを作るという、自分の中で新しい選択肢が生まれました。大学院でビタミンCに関する研究を行った後、大塚製薬を志望し、研究員として入社することができました。


*エクオール: エクオールは、大豆イソフラボンの一つであるダイゼインから、腸内細菌の働きによって産生される代謝物。大塚製薬は長年の大豆研究により、女性の健康にエクオールが貢献することを見いだし、研究を重ね健康効果を明らかにしてきました。



―「エクオール」は、どのようにして知ったのですか?

宮川:たまたま女性誌を読んだときに知りました。また、女子大学だったこともあり、大学全体として女性活躍や女性リーダー育成を後押ししており、関連イベントにもよく参加していたのですが、あるイベントで大塚製薬がブースを出していて、そこも接点となりました。

研究員として「ひとりひとりの声を聴きに行く」

―研究員として入社後、「女性の健康」チームに配属されたのですね。

宮川:佐賀栄養製品研究所では「運動と栄養」に関する研究から「女性の健康」に至るまで、様々なテーマで研究を行っているのですが、私は「女性の健康」のチームに配属となりました。既存製品の価値を高めるような研究以外にも、次の製品開発に繋がるような新しい“種”を見つける研究も行っています。

―研究所内でいつも仕事をしているのでしょうか?

宮川:研究所内の仕事に加えて、外に出ていろいろな人の話を聴きに行くことも多いです。入社前にイメージしていた、いわゆる研究職の仕事とは少し違うなと思っていて、“研究員もそこまでやるのか”という驚きがありました。人数が限られている中で、みんな本当に幅広い仕事をしているなと、今も思っています。

―「女性の健康」に貢献するために、どのような研究を行っていますか?

宮川:「女性の健康」と切り離せないものとして月経など女性特有の変化がありますが、ひとりひとり、また時期によっても、身体の状態は異なります。多くの女性が声に出していないだけで、我慢していることとか、困っているけれど一人で抱えていることがまだまだあると思います。それぞれの人の悩みに応じて手助けになるような製品を開発して育てていきたいと思い、研究を続けています。

いずれは、「ひとつの製品・成分で様々な状態に対応する」というサポートができるのではないかと考えていて、その実現を目指したいと思っています。

―「外に出ていろいろな人の話を聴きに行く」のは、どんな人たちでしょうか?

宮川:大学病院の医師などの医療関係者だけでなく、一般の方の話を聴くことも多いです。当社には、「女性の健康推進プロジェクト」という組織があるのですが、そのメンバーとともにヒアリングすることもあります。「こういうことに困っている人がどのくらいいるのだろう」とか、「困っている人はどう対処しているのだろう」ということを聴くことが多いです。その時に、全く予想していなかった声を聴くこともありました。今はまだ新しい製品開発に繋がるところまでは至っていないですが、このような機会は研究員としてとても貴重だと思っています。

―今、宮川さんが解決したいと考えていることはありますか?

宮川:ずっと女性の健康の研究をしている中で、視点を変えて「男性の健康」について、最近考え始めています。男性もきっと困っていることがあるだろうな、それに対してどのように対処しているのかな、と。男女問わず、我慢することが当たり前のようになっていることだったり、他の人にはなかなか理解してもらえないような辛さだったり、この仕事を通じてそういったサポートができればと考えています。

このような考えに至ったのは、上司からの「自分のバイアスにとらわれずに、あらゆることに興味を持て」という言葉がきっかけでした。様々な研究データを見ていく中で、仮説をもってデータを見てしまいがちなのですが、もっと細かく見ていくことが大事で、対象者が100人いたらその全体の方向性だけを見るのではなくて、ひとりひとりの状態やデータとしっかり向き合うように、と指導されました。そうすれば、仮説に沿った見方だけでは見つけられなかったものが、新たに見つかるかもしれないと考えています。そこから、「先入観を持たずに、ひとりひとりの声に真摯に向き合う」ことを心がけるようになりました。

「本当に摂って良かった」と思ってもらえる製品を創りたい

―宮川さんの今後のチャレンジを教えてください。

宮川:健康に役立つ製品は多々ありますが、「本当にそれを摂って良かった」と思ってもらえるような科学的根拠に基づいた製品を展開しているのが、当社の特長です。
栄養は食事をベースに摂るもので、もちろんそれは正しいのですが、それだけでは補いきれない部分もあるというのが学生時代の大きな発見でした。
一から勉強することばかりで入社以来、常にチャレンジの積み重ねですが、その時の想いを大事に、“どんなものが足りないのか?”“どんなものがあれば人の健康に本当に貢献することができるのか?”を常に考えながら、新しい製品を開発できたらと思っています。

―最後に、研究員として大切にしていることは何ですか?

宮川:「実直にやる」というのがとても大事だと思っています。頭の中で、これはこうで・・・と思い描いてしまう部分もあるのですが、実際に研究をしてみて初めて“ああ、そんなことがあるのか”と分かることもありますし、思い描けていなかった部分を新たに発見していくこともあります。考えるだけではなくて、手間や時間がかかっても実際に行動に移して検証していく、そういうところが、大塚製薬らしさなのかなとも思います。先入観を持たずに、新しい発見を楽しいなと思える方と、一緒に働けたら嬉しいです。

編集部のつぶやき

お読みいただき、ありがとうございました!「先入観を持たない」、「ひとりひとりの声に真摯に向き合う」ことが研究には大切であること、そして今後のチャレンジについて語っていただきました。今後も社員インタビューを掲載していきます。次回もお楽しみに!!

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