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「女性の健康」に向き合って ~私たちの10年間の活動~

今回は「女性の健康」分野に携わる3人のインタビューを対談形式でお届けします。2014年からの10年間にわたる「女性の健康推進プロジェクト」の活動を通じて感じたこと、将来に向けた想いなどを、女性の健康週間(3月1日~8日)に合わせて語り合っていただきました。


ゼロから女性特有の健康課題に取り組む


―まずは、「女性の健康推進プロジェクト」におけるそれぞれの担当業務を教えてください。

北脇:私は女性の健康に関する製品のマーケティング全般と、海外関連を担当しています。女性の健康分野にはプロジェクト立ち上げ前から関わってきました。

小野田:私は入社当初は研究員として女性の健康に関する研究を担当していました。その経験を活かし、主に学術関連資材や啓発資料を作成したり、医療従事者向け・生活者向けのプロモーション活動を担っています。

家原:ニュートラシューティカルズ関連事業製品の営業を経験したのち、現在は首都圏エリアの病院や調剤薬局などを訪問して医療従事者に情報提供をしたり、企業を訪問して従業員対象の健康セミナーなどを実施しています。


【北脇(キタワキ)さんのプロフィール】
大学では応用化学を専攻。入社当時はアジア地区でのニュートラシューティカルズ関連事業を担当。その後、大豆関連製品担当を経て、現在に至る。

【小野田(オノダ)さんのプロフィール】
大学では薬学部、大学院では医歯学を専攻。医学修士。佐賀栄養製品研究所の研究員として入社し、加齢栄養分野のチームに所属したのちに女性の健康分野の研究に携わり、現在に至る。

【家原(イエハラ)さんのプロフィール】
当初は教員を目指し、大学で教育学を専攻。入社後はニュートラシューティカルズ事業部で営業担当を務めたのちに、「女性の健康推進プロジェクト」に加入。


―それぞれ、さまざまな経験を経ているのですね。お互いに前から知っていたのですか?

家原:私は学生時代から大塚製薬と関わりがありました。もともと陸上競技で長距離走をしており、大学時代は教師を目指していました。その関係もあり、大塚製薬が全国で展開していた市民対象のランニングクラブで、インストラクターとしてサポートしていました。実はそこで、小野田さんはランナーとして参加されていました。

小野田:はい!その時から知っていました。 

家原:びっくりですよね。その時、大塚製薬の社員とたくさんお会いする機会があって、面白い会社だな、と思っていました。その後、教員にならずに、サラリーマンとして大塚製薬で働くことになりました。

―運命の出会い、でしょうか?ところで家原さんは、自らの希望でプロジェクトに入ったのですよね。

家原:はい、新しいプロジェクトが立ち上がる時に、「この先自分がイチから携わる仕事はそうそうないだろう」と思い、手を挙げました。

―小野田さんは、研究員として「女性の健康」分野を担当していたのですね。

小野田:入社当初の所属は、加齢栄養に関する研究グループでした。2006年、女性の健康分野のグループに入り、2018年まで研究していました。現部署では、長らく研究していたものを世の中に伝える・広めていく業務になったわけですが、「伝えること」と「伝わること」は違うんだなと。「伝わる」ことの難しさを日々感じています。

―北脇さんは、海外勤務など様々な経験をされていますね。

北脇:入社して最初は中国で飲料ビジネスを担当していました。その後、大豆関連の事業を経て、現在のプロジェクトに入りました。女性の健康や、さまざまな成分のことなど一生懸命勉強しました。

小野田:「新しいビジネスができる」っていう、ワクワク感はありました?

北脇:それはありましたが、軌道に乗るまでは、本当にきつかった・・・!

―現在の仕事で、「やりがい」はどんなところですか?

北脇:自分の思っていることが具現化するのは、とてもやりがいがありますね。ただ、うまくいかなかったらすべて責任をとらないといけないので、大変なところもありますが・・・

小野田:私は誰かの役に立てたな、と思える時にやりがいを感じますね。啓発活動を通じて人々の健康に貢献することはもちろん、一緒に働く仲間に対しても。私は研究所から来たので、そこで培った知識・スキル等を活かし、専門的な情報を翻訳して伝え、それが彼らの理解の一助となり武器となったら嬉しいなと感じます。気軽に質問してもらえるような窓口になれたらと思っています。

家原:セミナーなどの啓発活動のほかに、このプロジェクトでは各メンバーが工夫して取り組んでいます。私は動画制作やYouTube配信をサポートしたりもしています。アプリや新しいデバイスを使って健康管理の提案などもしています。本当に多岐にわたる活動を行っていて、大変ではあるのですが、社内・社外で応援してくれる仲間が増えて、いろんなところで「女性の健康」の取り組みが進んでいくのが、とても面白くやりがいに感じています。

「女性の健康」10年間の変化


―「女性の健康推進プロジェクト」が発足して、今年で10年となります。皆さんの中での10年間の変化について教えてください。

北脇:女性の社会進出が進むなど、社会の流れが大きく変わったと感じています。生理痛や更年期といった女性特有の不調でも休みがとりやすい、女性が働きやすい環境に徐々になってきているかな、と思います。

家原:社会は本当に変わったと感じています。たぶん、私が一番感じているのではないかと。例えば、女性ならではの体調などに関する企業セミナーを実施しようとしても、最初は全く興味を持ってくれなかった。私が説明しようとすると、「男性ではだめ。演者交代して」と言われたり。それが今は逆に感謝されるようになりました。これまでとは逆に、男性が女性の健康について話す、男性が説明するから男性も参加しやすい、女性も男性にも知っていてほしいという時代になったんだなと如実に感じます。

小野田: 確かに。10年で、私たちが実施するセミナーの聴講対象が変化してきましたよね。かつては、女性自身に向けて行っていましたが、今では、経営層に向けて実施したり、性別問わず参加いただけたり、あるいは、パートナーと共に聴講いただくなど、バリエーションが増え、各聴講者層に応じた伝え方が出来るよう工夫しています。お伝えするときに気を付けていることは、「寄り添う」ということです。一方的に伝えるだけではなく、「一緒に歩んでいきましょう」という気持ちでお話するよう、心掛けています。このような草の根的な活動が少しずつ届いて、ここ数年、取材を依頼いただくことが本当に増えました。

家原:セミナーも依頼いただくことが増えました。以前はこちらから提案しないと実施できなかったのですが、今はご依頼やお問い合わせをいただいて実施するということがほとんどです。

小野田:企業だけでなく、大学や官庁からもお問い合わせをいただいていますよね。

家原:社内にも変化を感じています。特に、「配慮」という言葉を使う方が減ったと思います。以前は、「女性には配慮しないといけない」という言い方でしたが、今は「ちゃんと考えなくてはいけない」に変わりました。管理職の方の意識も少しずつ変わってきていて、「どうしたらいいだろう?」と次のステップを考える方が増えてきているのかな、と感じています。

ー今では「女性の健康」分野が本当に注目されていますね。

家原:ライフステージに応じた女性特有の健康課題について、包括的にお話ができるのは大塚製薬のすごい強みだと思っています。

北脇:女性の健康推進プロジェクトの活動では、科学的根拠に基づいた客観的事実を正確に伝えることにこだわっている点に、評価の声をいただいています。

ー女性の健康に関するWEBサイトはたくさん運営されていますね。

小野田:女性の健康推進プロジェクトでは、「更年期ラボ」や「PMSラボ」といった女性特有の症状や悩みを専門家が解説する情報サイトだけでなく、女性の健康に関する調査結果や私たちのプロジェクトの活動を紹介するサイトを運営しています。最近では動画のみのコンテンツがあっても良いかと思いYouTubeを開設したりしています。同じことを伝えるにしても、手法を変えながら伝えることで、より深い理解に繋がったり、より多くの方に届けられればと思っています。

家原:私は伝えることの難しさを実感しています。医療用語など専門的な言葉を多くの方に分かるように、しかも興味を持ってもらえるように説明しないといけません。さらに、デリケートな内容を含んでいるため、セミナーの内容や伝え方は本当に難しいと思っています。最初はセミナーをやる意味がないのではとも言われたことがあり、なかなか評価されない中で続けていくのは正直しんどかったです。でもこの10年を振り返ってみて、やっぱり続けてきて良かったなと思いますし、今後10年後に「あの時セミナーを受けていてよかった」と言われるような仕事をしていると思っているので、つらい中でもやりがいを感じています。

将来に向けたそれぞれの想い


―「女性の健康」に対するこれからの想いを教えてください。

家原:「女性の」という言葉を使わなくてもいい時代になるように、今後もアクションが必要だと思っています。「エクイティ」という言葉が使われてきているように、目線をそろえてから多様性を享受できるような文化となるよう、今後もチャレンジしていくつもりです。

小野田:私は、女性に限らずですが、なりたい自分や、どう働いてどのように社会貢献していきたいかというのは、何かに制限されることなく叶えられるようになると良いなと思っています。そうすれば、例えば出産や子育てを経験した後も、また活躍できる働きやすい社会が訪れるのではないでしょうか。

北脇:この10年でようやく女性の健康について「分かろう・寄り添おう」という機運はできてきたと思いますが、より多くの女性の健康リテラシー向上にはもっと貢献できるんじゃないかと感じています。調査の結果でわかったこととして、例えば、かかりつけの婦人科を持つこと以前に、婦人科に行くこと自体ハードルが高いと思われており、まず女性自身が自分の体を知るためにも、気軽に婦人科にアクセスできるような環境を作っていければいいなと考えています。

―最後に。お互いに聞きたいことはありますか?

小野田:北脇さん、家原さんは、「男性の健康」についてどう思われますか?最近はメディアでも取り上げられるようになっていますよね。

北脇:男性は身体の変化に気付いていないかもしれないです。

家原:男性自身の健康も、本当に重要ですよね。

北脇:私自身、女性の健康に関する取り組みをする一方で、自分自身の健康にはケア出来ていないかもしれませんね。

家原:家族のことを考えると、確かに男性の健康も常に考えなくちゃいけないと思います。自分自身のことをまだまだわかっていないというのは、男女差はないのかもしれません。

小野田:ヘルスリテラシーを高めるというのは性別には関係ないと思いますが、生物学的な違いというものはどうしてもあるので、例えば女性も男性の体や心、男性特有の健康課題について理解するなど、お互いに自分自身のことも相手のことも理解を深めていけたらいいですね。

編集部のつぶやき

3名の対談、お読みいただき、ありがとうございました!「女性の健康」に取り組んだ10年間とこれからの想いを、それぞれの観点で語ってもらいました。社会が変わっていく様子を直に経験しながら、将来の課題に対して取り組んでいるプロジェクト、これからもご期待ください。今後も社員インタビューを掲載していきます。次回もお楽しみに!!


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